空冷・直列4気筒エンジンの爽快感!ヤマハ XJR1300

ヤマハのネイキッドバイクの最高峰

ペケジェイアールと呼ばれるネイキッド・シリーズの最高峰XJR1300は、同系の1200ccタイプのフルモデルチェンジに際し平成10年に誕生しました。
エンジンは美しいと評判の4スト空冷・並列4気筒で、排気量は1250ccとハイスペックを誇ります。
1200ccタイプからの最大の進化は心臓部であるエンジン回りで、シリンダーの放熱効率を向上させ、ピストンも鍛造により、よりパワーロスのないものとなっています。

エンジンカラーもシルバーとされ、堂々とした風格ながら優れた操作性から現在でも人気の高い車種です。
しかし残念なことにこの美しい空冷4気筒エンジンを搭載するヤマハ・ネイキッドの最高峰モデル「XJR1300」が、2017年限りでファンに惜しまれながら生産中止となってしまいました。

2016年度の排ガス規制が原因ですが、この排ガス規制はEURO4(2016年度版)に基づくものでした。
2017年9月以降、この規制を満たさなければそのバイクは製造できなくなったのです。

実はバイクメーカーはこれまでも継続して排ガス規制対策の不断の努力を続けていたのですが、EURO4は極端に厳しかったのでしょう。
メーカー各社のラインナップの約半数以上が生産中止となり、メーカーにとっては「開発を継続して販売を続ける車種の選別」を迫られたのです。
にもかかわらず生産終了となった今も、XJR1300はどうしてライダーの憧れのバイクであり続けるのか、その理由に迫ってみましょう。

サイズに反する取り扱いやすさ

大排気量のサイズに反する操作性の良さから、だれもが容易に爽快なライディング感を得ることが出来る代表的なネイキッドモデルです。
パワーユニットに空冷エンジンを採用している点に、ヤマハの強いコダワリが感じられます。
ヤマハは、二輪車のエンジンを単なる出力装置としてではなく、モータースポーツ全体を構成する重要な要素と考えていると言えるでしょう。

空冷エンジン特有の外観、すなわち整然とシリンダーの周りに平行に並ぶフィンの美しさと1300cc4気筒のボリュームを主張するシリンダーヘッドの頼もしさが、美しいカーブを描く排気パイプと組み合わさり、XJR1300の美が完成しています。
主要なスペックは全長×全幅×全高が2,175×765×1,115mm、シート高が795mm、車両重量が245kgと、国内モデルのこのクラスとしては標準よりやや大柄かもしれません。
大排気量エンジンの最高出力は74kW(100PS)/ 8,000rpm、最大トルクは108N・m(11.0kgf・m)/ 6,000rpmを誇ります。

「XJR1300」の圧倒的なパワーと優れた制動

空冷の機能美を主張する大排気量エンジンは、最大トルクを6,000rpmと低回転で発生させる設計で、日常走行でも力強さを感じられる幅広いトルク特性を有しています。
低速域からでもアクセルを開けば力強く吹け上がり、ラグのないレスポンスの良さ、心地よい加速、さらに、高回転域に至るまで一気にふけ上がる滑らかな回転特性も持つのです。

その圧倒的なパワーを制御する制動装置に目を向けると、フロントブレーキは、軽量で剛性に優れたモノブロック構造の4ポットキャリパーを採用しています。
リアブレーキにも同様の構造を持つ2ポッドキャリパーが採用されています。